マラリア

高校生の頃、スキーで骨折した俺は、学校まで50mの至近距離にある下宿暮らしをしていた。そこの名前が「学び舎」ま・な・び・やだったのだが、その薄汚れた食堂兼下宿を生徒たちは「マラリア」と呼んで揶揄していた。そして、そんな俺がその5年後にマラリアにかかるとは・・・。

ネパール・インドを旅して2カ月が過ぎた。風邪気味だったのだが、だんだん調子が悪くなってきた。悪寒と戦慄、名も知らぬインドの田舎街の安ホテルの1室で俺は一人、ベッドの中にうずくまりガタガタ震えていた。体温計は39℃!高熱が3日ほど続くと、いったん37℃まで熱が下がるのだが、1日もしないで、また39℃に逆戻り。この3日熱のパターンが繰り返されながらも、熱が下がる日を使いながら、放浪の旅を続けていた。

さすがに10日、つまり3サイクル目に入ったころには「変だな」と気付き、「地球の歩き方 インド・ネパール」・・(その頃は1冊でまとまっていた1980年ころ)読むと、どうやら自分はマラリアにかかっているらしいと自己診断した。

近所のクリニックに出かけ「俺はマラリアにかかっている。頼むキニーネを打ってくれ」とインド人医師に告げた。ちいさな街医者にそんな薬はなく、その医師はそばにいた少年にメモを渡し、大学病院へ薬を取りに走らせた。待つ事4時間、少年はその薬を持ち帰った。その場で注射され飲み薬を2~3日分もらってホテルへ帰った。翌日の夕方頃から、症状は治まりだした。ところが、話はここでは終わらない。インド放浪の旅は、これまた摩訶不思議な展開へと進んで行くのだが、続きはまた来週!

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